全1巻(分冊版では全9巻)で祥伝社から発売されている『わたし、今日から「おひとりさま」』。
離婚された主婦の人生やり直しストーリーかと思いきや、主婦の抱える秘密に驚かされる作品です。
- サクッと読める面白い作品を探している
- ミステリー作品が好き
こんな人にはピッタリの作品になっていました!
今回はそんな『わたし、今日から「おひとりさま」』のあらすじや感想を紹介していきます。

さっそく紹介していきます
簡単なあらすじ
夢だった専業主婦として、1人娘のミチと夫と幸せな生活を送っていた泉。ところが、夫から突然離婚されて、最愛の娘は夫に付いていくことに。家族を失い、おひとりさまになった泉は娘の勧めで単身東京へ。しかし仕事なし、家なしの泉に東京は厳しかった…。友だちのじゅりに助けられた泉は、なんだかんだじゅりとの東京暮らしを楽しんでいた。ところがじゅりは泉の驚きの秘密を知ってしまう。



秘密を知ったときは鳥肌が立ちました
わたし、今日から「おひとりさま」ネタバレ
1~2話ネタバレ
主人公の泉は、夫と一人娘のミチと3人で暮らす専業主婦です。泉は専業主婦になるのが夢で、高校を卒業したと同時に結婚して出産しました。
幸せな家庭だと思っていましたが、ある日突然夫から離婚届を突きつけられます。さらにミチは夫に付いていくことになり、泉は一人ぼっちの家無し無職になってしまいました。
困った泉でしたが、ミチのアドバイスで東京に行くことを決めます。
上京したはいいものの、社会人経験がない泉は仕事も家も決まりません。
泉は高校時代の友だちで、売れっ子ヘアメイクアーティストとして活動しているじゅりに連絡をします。事情を聞いたじゅりは、泉をしばらく居候させてくれることに。
泉はなんとか家政婦の仕事が決まります。
仕事先の家には、ヒモの紐野がいました。紐野に流されて、仕事中にゲームをしてお酒を飲んでしまった泉。お客さんにバレて、家政婦のバイトを1週間でクビになってしまいました。
泉が落ち込んで会社を出ると、偶然紐野に出会います。泉は紐野と連絡先を交換したのでした。
3~4話ネタバレ
泉は上京してからも毎週土曜日は地元に帰って、喫茶店でミチと会っていました。泉はミチに紐野と会うことを勧められます。
たまたま紐野から連絡が来て、一緒にカレーを食べに行くことに。紐野の紹介のおかげで、泉はそのカレー屋さんで新しく働くことが決まりました。泉は紐野に対してときめきを感じていました。
仕事が決まった泉は、早くじゅりの家を出ていかないといけないと思っていました。じゅりは自立しろと口では厳しいことを言いますが、なんだかんだで泉とじゅりは仲良く暮らしていました。
そんなある日、じゅりは街で高校時代の友だちのむっちゃんと会います。一方、泉はミチと会うために喫茶店にいました。じゅりはむっちゃんから、ミチが事故で亡くなっていることを告げられます。喫茶店で話す泉の前には、ミチの姿はありませんでした。
実はミチは1年前に亡くなっていたのです。泉はミチが亡くなったことを受け入れられず、ミチが生きていると想像し続けていました。
じゅりは泉に現実を受け止めるべきだと伝えます。しかし、泉はミチが亡くなったことをどうしても受け入れることができません。
泉はじゅりの家を出て、紐野に連絡をします。紐野は泉を自分の家に連れて行ってくれました。紐野は実は高級マンションの高層階に住むお金持ちでした。紐野は複数の女性のヒモをしていて、貰ったお金で始めた飲食店がたまたま成功。現在は10店舗ほどの飲食店のオーナーをしていて、泉の働いているカレー屋もその1つです。
じゅりの家に帰りにくい泉は、紐野の好意に甘えて紐野の家に泊まることにしました。
5~6話ネタバレ
帰ってこない泉を心配してカレー屋に来たじゅりは紐野と出会います。じゅりは紐野に、ミチが亡くなっていること、泉が精神的に危うい状態であることを伝えます。紐野は泉がいいならこのままでいいと答えました。じゅりはこのままで言い訳がないと反論しようとしましたが、仕事の連絡が入ってしまいカレー屋を去りました。
紐野は泉には何も言わず、泉が好きなだけ自分の家にいてくれていいと伝えます。泉はじゅりに悪いと思いつつも、このままでいたい(ミチが亡くなったことを受け入れたくない)思いが強すぎて、居心地の良い紐野との関係を続けるのでした。
泉がじゅりの家を出て行ってから1ヶ月が経ちました。じゅりは泉との生活を思い返して、寂しい気持ちになっていました。
紐野との関係を続ける泉は、ミチと喫茶店で話しているときに急に吐き気を感じます。不安に思った泉が妊娠検査薬で検査をすると結果は陽性。なんと泉は紐野の子どもを妊娠してしまったのです。
わたし、今日から「おひとりさま」感想
3話までは夫と娘に捨てられた主婦の人生やり直しストーリーだと思っていました。しかし、娘のミチが実は亡くなっていたと知って、良い意味で期待を裏切られました。喫茶店での店員さんのやりとりなど読んでいて疑問に思う瞬間はありましたが、娘が亡くなっているとは全く考えてもいませんでした。そしてそのことを知った瞬間、一気に『わたし、今日から「おひとりさま」』が面白くなりました。
1話から読み返してみると、離婚を切り出されるまでの描写でもミチは泉としか話しておらず、話している様子を夫は見ているだけなのです(いい感じに切り取られていて、夫の視界には泉の姿しか写っていない)。さらに泉は朝食を3人分作っているのにミチは食べておらず、片づけるというシーンまでありました(夫は3人分の朝食を怖い顔で見つめている)。
最初に読んでいるときは、夫が怪訝な表情をしていても泉が嫌だからだと思っていました。読み返すと、ミチが亡くなっているにも関わらず、ミチがいると思い込んでおかしくなってしまった泉が怖かったのだとわかります。
ミチが亡くなっているのを知ってから読み返すと、最初に読んでいたときはなぜ気づかなかったのだろうと思うほど伏線だらけでした。1話からこんなに伏線が詰め込まれていたとは驚きです。
『わたし、今日から「おひとりさま」』は、ネタバレを知らないで読んだほうが面白いです。娘が亡くなったという悲しみが離婚の悲しみに上手く隠されていたように思います。大きさは反対になってしまいますが、木を隠すなら森の中という言葉に近いものを感じました。まるでミステリーを読んでいるかのようで面白かったです。
最後はハッピーエンドで終わったようなのですが、泉の妊娠からどのような展開でハッピーエンドになったのか気になります。ぜひ最後まで読んでみたいです。
絵は非常にシンプルですが、どこか不穏な雰囲気があってお話に合っていると思いました。



読者を騙して気づかせるまでが上手いなと思いました
まとめ
ただの離婚された主婦の人生やり直しストーリーではない『わたし、今日から「おひとりさま」』。主婦の秘密を知ったときに、あなたもきっと良い意味で期待を裏切られるでしょう。
発売中のコミックスやLINEマンガでも読むことができるので、気になった人はぜひ読んでみてください。



最後までよんでくれてありがとうございます